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TPPが30秒でわかるTPPの基礎知識

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TPPは何のために結ぶの?

TPP協定とは、太平洋を取り囲む国々によって結ばれた 「人、モノ、金」の流れをスムーズにするための経済協定です。

現在の参加予定国は12カ国あります

シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国で始まったこの協定は、2008年にアメリカが参加すると表明した途端、拡大化し、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、カナダ、メキシコ、日本(参加表明順)が追加されました。

結局、アメリカのゴリ押しだったの?

確かにアメリカがTPP参加を決めた経緯をみると、そのように感じる人も多いでしょう。アメリカはリーマンショックの1週間後に参加を表明し、その後、現政権の政策目標である「輸出倍増計画」の流れの中でTPPの交渉テーブルでもリーダーシップを発揮しています。

ヒラリー

じゃあ、やっぱりアメリカが得するための条約なの?

アメリカの経済界でも賛否両論です。特に自国の産業が日本よりも弱い自動車や工作機械メーカーなどは、大反対をしています。ちなみに、次の大統領選に向けて民・共どちらの候補者もあわせて4名いますが、4名とも当初は反対を表明していました。

トランプ

アメリカがTPPを強引に推進したい理由

当初、参加表明しないと交渉のテーブルにつけないなど、強引で秘密裏なアメリカの交渉姿勢に戸惑った日本。日本政府はこのようなアメリカの強引な態度に対して一斉にネガティブキャンペーンを貼りました。日本のマスコミは政府の広報機関なので、その当時のテレビ・新聞などはTPP反対一色でした。アメリカは確かに強引でしたが、アメリカにはTPPを推進した理由がもう1つありました。それは対中国の抑止力としてのTPPです。

日本のマスコミ

中国に対して業を煮やしたアメリカ

中国が、自国の輸出業を保護するために人民元のレートをわざと低く固定したり、国有企業に対して低利の融資を行っているのは公然の事実です。知的財産権の保護についても、無頓着な姿勢を貫いてます。こうした行為に対して、アメリカはWTO(世界貿易機関)を通して何度も勧告をしていますが、一向に改善される兆しはみられません。

習

中国を仲間はずれにしたブロック経済圏化構想

キレてしまったアメリカは、 貿易のルールを守らない中国を閉め出して大きな経済ブロック圏を作ろうとしています。そうした政治的な目的がTPPに参加したアメリカの狙いでもあるのです。

仲間はずれ

日本以外のTPP参加国

日本政府はアメリカの意図を理解し、日本政府がTPPの内容に大筋合意したのは2015年の10月のことでしたね。自由貿易の真逆をいく戦略的貿易協定(TPPの正式名称です)なのですが、日本のマスコミも今度は、反対意見をろくに取り上げずにあっさり受け入れました。日本以外のアジアの国(オーストラリア・ブルネイ・ベトナム・マレーシア)も中国に対して1カ国で対抗するよりも経済ブロックを形成した方が有利なのを理解して参加しています。

トレーダーはTPPを両面思考で考える

メリットもデメリットもまだ手探り状態

テレビなどでは、TPPのメリット・デメリットを、日本の食料自給率が低くなる、日本の医療・保険制度が崩壊するとか、そのかわり日本の工業製品が安く売れるとか、短絡的に分析していますが、関税の無いブロック経済圏では、まずは市場が今までとは段違いに広がったと認識するべきでしょう。しかし、それ以外の事は実はまだ予想がつかないことが多くあります。

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▲広がる太平洋のその先に何が見える?

敗者は勝者になる

本来は、一方の負けは一方の勝ちであるのですが、この一大経済ブロック圏の中では、一概に言いきれません。TPPメンバー国同士はお互いの国に対して寛容な態度を取ることが求められるからです。アメリカの標的はあくまで中国ですので、例えば、日本が円安政策を打ち出したとしても、アメリカは、それを黙認する可能性が高いでしょう。

勝ち組企業はもっと勝ち組企業になる

アメリカの企業の中には、TPP推進のためのアメリカ企業連合という名のグループが結成されています。メンバーは、シティグループ、AT&T、ベクテル、キャタピラー、ボーイング、コカ・コーラ、フェデックス、ヒューレット・パッカード、IBM、インテル、マイクロソフト、オラクル、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、先進医療技術協会、生命保険会社協議会、ウォルマート、タイム・ワーナー、カーギル、モンサント、アメリカ大豆協会、トウモロコシ精製協会、全米豚肉生産者協議会、これらの企業・協会等は、TPPの恩恵を受けると皮算用をしているのだと思います。

TPP参加12ヵ国のポテンシャル

もちろん、アメリカだけが貿易相手ではありません。
それぞれの国家のポテンシャルであるGDPと主要産業について記載していきます。

参加国名 人口 GDP
シンガポール 473万人 1819億ドル
38972ドル(1人当たり)
チリ 1724万人 1695億ドル
10121ドル(1人当たり)
ニュージーランド 426万人 1284億ドル
30030ドル(1人当たり)
ブルネイ 40万人 145億ドル
37060ドル(1人当たり)
アメリカ 3億1465万人

14兆2646億ドル
46859ドル(1人当たり)
オーストラリア 2129万人 1兆106億ドル
47395ドル(1人当たり)
ベトナム 8423万人 898億ドル
1040ドル(1人当たり)
ペルー 2916万人 1275億ドル
4451ドル(1人当たり)
マレーシア 2746万人 2222億ドル
8140ドル(1人当たり)
カナダ 3412万人 1兆5100億ドル
46215ドル(1人当たり)
メキシコ 1億961万人 1兆881億ドル
9566ドル(1人当たり)
日本 1億2305万人 5兆4589億ドル
42821ドル(1人当たり)

●ひとりあたりのGDPの高い国は、購買力の高い国でもあります。逆に低い国は労働力の安い国と位置づけることもできます。

参加12カ国の主要産業

アメリカと日本を除いた、いわゆる「その他の国」にも投資機会はあります。これらの国の中には、世界でも誇るべき産業を持っている国が多くあるのです。TPPというのはひとつのブロックですから、ブロックメンバー国の貿易産業が伸びるという見方ができます。

シンガポール
東西貿易の拠点となって古くから繁栄し、海運産業や航空産業が発達した(ゆえに国内最大の企業はシンガポール航空である)。独立後は積極的な外資導入により、重工業を中心とする工業化政策をとり、東南アジアでは最大級の工業国に成長している。
都市国家であるため、国内の人口や消費の規模は小さいものの、英語や中国語の話者の多さから、香港と並び欧米諸国の多国籍企業のアジア太平洋地域の拠点が置かれることが多く、近年は東南アジアの金融センターとして不動の地位を保っている。

シンガポール:香港とともに世界の富裕層を相手に商売をしてきたシンガポール。国策としての金融事業は他の国の追随を許さない。

チリ
チリの主な農産物は穀物であるオート麦、トウモロコシ、小麦、果物 – 桃、リンゴ、ナシやブドウと野菜ニンニク、タマネギ、アスパラガスと豆。果物や野菜の輸出は、アジアと欧州市場の扉を開くことによって、歴史的な水準に達している。 近年では、チリはノルウェーと並んで、サケの世界有数の輸出国になっており、他は第5位の輸出国としてランク付けされたワイン業界で最も重要な輸出国の一つとなっている。

チリ:ワイン!ワイン!ワイン!農産加工品の輸出では、南米で確固とした地位を築く。

ニュージーランド

輸出品目 – 乳製品、肉、木材・木製品、魚、機械類
輸出国 – オーストラリア 19.5%、アメリカ合衆国 13.5%、日本 10.8%、中華人民共和国 5.7%、イギリス 4.5%、大韓民国 4.0%(2006年12月末)
輸入品目 – 機械設備、自動車、航空機、石油、エレクトロニクス、織物、プラスチック
輸入国 – オーストラリア 20.1%、中華人民共和国 12.2%、アメリカ合衆国 12.1%、日本 9.1%、ドイツ 4.4%、シンガポール 4.6%(2006年12月末)

ニュージーランド:畜産業が国の基幹産業。しかし、関税撤廃を強く訴えていたのはこの国。農業品の関税は工業品の関税よりも高いのです。


ブルネイ

IMFの統計によると、2010年のブルネイのGDPは119億ドルであり[3]、日本の鳥取県の50%程度の経済規模である[4]。ブルネイの中央銀行はブルネイ通貨金融庁である[5]。
石油、天然ガスの輸出により、非常に経済は潤っている。石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めており、それらに依存した経済構造となっている。また、貿易依存度も高い。食料品はそのほとんどを輸入している。物価は他のアジア諸国と比べて高い。
2013年の一人当たりの名目GDPは約44,586ドルと日本を上回る。所得税がないため、購買力では名目の数字よりさらに水準が高いと言える。
将来の石油資源枯渇に備え、豊富な資金を背景に国外へと積極的に投資しており、金融業や観光業の育成が図られている。
また石油・天然ガスによる収入を元に、政府が社会福祉を充実させており、個人に対する所得税・住民税は課されていない。

ブルネイ:東南アジアの金持ち国家。輸出は天然資源で、輸入は食料、工業製品など多岐に渡る。典型的な都市国家。

オーストラリア

• 小売業 – ウールワース、コールス・グループ
• 自動車 – 乗用車を製造(GMホールデン、フォード、トヨタ・オーストラリア)
• 農業 – 多くが自給、牛肉(オージー・ビーフ)
穀物 – 小麦、ホップなど
• 鉱業 – 鉄鉱石、ボーキサイト、チタン、ウラン、金、石炭、オパール、原油、天然ガスなど。アルミニウムの原料であるボーキサイトは、オーストラリアが世界の約27%を占める(2011年)。鉄鉱石やチタンも有名。
• 観光 – 豊かな自然のため、オーストラリア主産業の一つ。
カジノ – 庶民・観光客の娯楽となっている。

オーストラリア:今回、日本とともにアジア圏で対中国貿易の転換点を迎えているオーストラリア。中国に頼らない輸出産業を作れるのか?

ベトナム

コーヒーは、現在ではブラジルに次いで世界第二位の生産量(99万トン、2003年)に達している。大部分がインスタントコーヒー、缶やペットボトル入りの清涼飲料、製菓用途で使われる安価なロブスタ種(カネフォラ種)である。現地では基本的に植民地支配を受けたフランスの手法を取り入れた飲み方にてベトナムコーヒーが飲まれる。
水田水稲作地帯は北部の紅河デルタと南部のメコンデルタであり、生産性も高く、国家の重要な穀倉地帯を形成している。メコンデルタで栽培できる野菜類は、ナス、キュウリ、トマトなどのほかに、ミント類がある。
鉱業
ベトナムは石炭・南シナ海で採掘される石油を中心とした有機鉱物資源、スズを中心とした金属鉱物資源に恵まれている。北部ハロン(ホンゲイ)から産出する石炭は上質の無煙炭であり、19世紀末からホンゲイ炭として採掘が始まっている。石炭技術で釧路コールマインとの繋がりが太く釧路市に名誉領事館を設置している。2003年時点の採掘量は1670万トン。ベトナムは産油国でもあり、1660万トンの原油を産出する。輸出品目の第一位は石油であり、2002年時点では全輸出額の19.6%を占めた。天然ガスの採取量は126千兆ジュール。
金属鉱物資源は、北部デルタ周囲の丘陵地帯に主に産する。もっとも重要なのが世界第4位のスズ(4000トン、世界シェア1.5%、2005年)。亜鉛、金、クロム、鉄、鉛のほか、リン鉱石も産出する。

ベトナム:ずっと期待され続けているが、成長率が期待以下のベトナム。その原因は国有企業の寡占状態にあると言われる。TPP参加をきっかけに外資の導入をして、いよいよ化けるか?

ペルー

産業の中心は、銅・鉛・亜鉛・銀・金などの鉱業である。特に銀は世界第2位の産出量である(2003年)。石油やガスなどの天然資源も産出する。
また、中華人民共和国に次いで世界第2位(2003年)の漁獲高を誇っている。水産業もペルーの主要な産業であると言える。

ペルー:地下トンネルを掘って、今日も天然鉱物を輸出します! TPPメンバーだけど、日本にとっては最も馴染みの薄い国。

マレーシア

マレーシアの鉱業はスズ鉱の採掘が中核となっている。2002年時点の採掘量は4215トンであり、世界シェア8位 (1.7%) を占める。主な鉱山は、クダ州、ヌグリ・スンビラン州に点在する。スズ以外の鉱物資源としては、金鉱(サラワク州、パハン州)、鉄鉱、ボーキサイト鉱(ジョホール州)、などが有力である。有機鉱物資源では、石炭、原油、天然ガスを産し、石炭以外は世界シェアの1%を超える。いずれもブルネイ・ダルサラーム国に近いサラワク州北部の浅海から産出する。日本が輸入する天然ガスの約20%はマレーシア産である。
多くの東南アジア諸国が欧米列強の植民地支配の影響のため発展が遅れ、社会主義での失敗や工業化が進まない中で、マレーシアは約170年間植民地支配されていたにも関わらず日本を手本に工業化と経済成長を達成した事で、シンガポールと共に『東南アジアの優等生』と呼ばれている。しかし民族間での貧富の格差も大きいなど課題もある。
このように中進国クラスの経済力を持つがゆえに、マレーシアでは人件費が中国やタイと比べて高く、日本企業の進出は頭打ちの状態が続いていた。しかし尖閣諸島問題や歴史認識問題で鋭く日本と対立する中国でも経済成長によって人件費が高騰しており、タイでは洪水やサイクロンなどの自然災害や長く続く政情不安が懸念されている中、近年ではマレーシアに注目が集まっている。

マレーシア:タイに代わる外国資本の進出国になるか?ITインフラは国策として、すでに先進国並みに整っています。

カナダ

鉱物資源に非常に恵まれており、世界シェア10位に入る鉱物が17種ある。以下では2003年時点の統計データに基づく。有機鉱物資源では、天然ガス(6565千兆ジュール、3位)、燃料となる褐炭(3695万トン、9位)のほか、石炭(2954万トン)と原油(9111万トン)の産出量も多い。ダイヤモンドの産出量も1120万カラットに及び、世界第6位である。
金属資源では、 ウラン鉱(1万トン、1位、世界シェア29.2%)、カリ塩鉱(820万トン、1位、世界シェア30.9%)、 イオウ(903万トン、2位)、鉄鉱(1980万トン、3位)、銀鉱(1309トン、3位)、タングステン鉱(2750トン、3位)、ニッケル鉱(16万トン、3位)、亜鉛鉱(100万トン、4位)、コバルト鉱(4304トン、5位)、塩(1335万トン、5位)、鉛鉱(15万トン、5位)、金鉱(141トン、7位)、アンチモン鉱(143トン、8位)、銅鉱(56万トン、8位)が特筆される。このほか、マグネシウム鉱、リン鉱も採掘されている。

カナダ:地の利です。世界最強国家のアメリカがすぐ隣にあり、豊富な鉱物資源に恵まれ、そんなに頑張らなくても稼げる国です。

メキシコ
カリブ海沿岸地域を中心にして油田が多く、 国営石油会社のペメックスを中心とした石油が大きな外貨獲得源になっている。銀やオパールの産地としても古くから世界的に有名である。他にも水産業や観光業、製塩やビールなどが大きな外貨獲得源になっている。また、20世紀前半より工業化が進んでおり、自動車や製鉄、家電製品の生産などが盛んである。主な貿易相手国はアメリカ、カナダ、日本、スペインなど。
特に1994年1月1日に北米自由貿易協定 (NAFTA) が発効した後は、その安価な労働力を生かしてアメリカやカナダ向けの自動車や家電製品の工場が増加している。

メキシコ:すでに対アメリカ向けの輸出自動車産業の工場がたくさんあります。他に安価な労働力と油田のゴールデンコンボで外貨獲得を狙っています。