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円安進行1ドル140円のシナリオは存在するか?

年内のドル円のシナリオは想定通り

2012年78円、2013年101円、2015年120円、ドルの価格は3年間で急激に高騰しました。
問題はこのドル円相場のトレンドが、どこまで行くのか?
そして、一番気になるのは、1ドル125円なるのか、130円まで行くのか、そういった水準の話でしょう。さらなる円安の材料として、アメリカの金利引き上げや日銀の金融緩和があげられますが、日銀の年内の追加緩和はなしというのが大方の見方です。

日銀

利上げ決定後は、いつやるか?から何回できるか?に変わる

前回の利上げ局面、2004年に限って言えば、0.25%ずつ5回に分けて金利を引き上げています。FRBのイエレン議長は、慎重な姿勢を崩さず、2004年の時以上に漸次的な引き上げに終始すると思われます。
やはりFRBはリーマンショックのトラウマをまだ引きずっており、金融市場の混乱を極力避けることを念頭においての処置でしょう。

イエレン

アノマリー=理論上説明できない市場心理

歴史的にFRBが最初の利上げに着手した後にドル相場が急落するというアノマリーが存在します。
なので、もし、FRBが現状のドル高を維持するつもりなら、利上げ決断を先延ばしすればいいだけなのですが、それでは「やるやる詐欺」みたいになって誰もFRBの言うことは信じなくなるでしょう。

信じない

これ以上の円安ドル高を許さない政治的状況

しかし、FRBが見過ごせないアメリカ国内状況の変化があります。政治的には2016年は大統領選挙の年になり、これ以上のドル高は輸出企業の苦情も出やすくなるだろうし、長期的なドル高を政府も求めていないでしょう。
日本側も2016年の7月に参議院選挙を控え、過度な円安は同様に望まないと思われます。特にガソリンを代表する輸入品目の値上がりは、直接家計に響くので、何らかの為替対策が2016年には行われる可能性は高いです。

大統領

円安ドル高相場は、年内いっぱいなのだろうか?

では、円が引き続き通貨安になるシナリオは存在しないのでしょうか? この疑問に答えるには、日米だけの力関係に注目するよりも世界に目を向ける必要があります。

リスクオフ通貨としての円の役割

これまで貿易黒字大国であった日本の円は、リスクオフ通貨として、危機時には買われる通貨として有名でした。
しかし、2011年以降、貿易赤字国になって以降、マーケットから円はリスクオフ通貨としてみられなくなってきました。その証拠に世界同時株安が起きた2015年8月、市場では不安材料が重なってリスクオフの雰囲気が強まったものの、円相場は一時的に円高に振れたものの、それほど目立った反応を見せませんでした。
最近では、世界経済に不安が走ると、海外に広がった緩和マネーがドルに戻るという流れにつながりやすくなっています。

risk off

1ドル125円の壁を越える円安要因

年内の円安進行は、年初来高値を目指して125円前後にレンジを形成するでしょう。
しかし、リスクオフ通貨としてみられなくなった円の通貨安が続行するのであれば、日本の国内状況にも変化が見られるようになります。

東京

ドル高円安が進めば、公的マネーの海外流出に拍車がかかる

もし、ドル高円安が底堅い動きを示すならば、年金や保険などの日本の公的マネーの海外資本への投資(外国株・外国債券の購入)の動きは加速するでしょう。これらは当然ドル建てで購入する必要があるので、今後は、円の思惑売りが出やすい状況です。

1ドル140円の可能性(年明け)

一旦、ドル高の流れに拍車がかかると、短期間で20円ごとに高値を更新してきた2012年〜2015年の値動きを再現する可能性もあります。もし、アメリカ 利上げ後のドル安円高が想定以上に影響が少なかった場合、一気に円安という流れもありえないわけではありません。

日本の公的資金は安全なドル資産へ

公的資金の預け先は、今までであれば、安全マネーであった円に投資するのがお決まりでしたが、これからは、より安全で好景気のアメリカに預けるのが、自然の流れです。 財務相がまとめた「対外証券投資」によると、公的年金に企業年金も含めた年金全体の動向を示す「銀行・信託銀行(信託勘定)」による外国債券と外国株式の買越額は、2014年8月からほぼ毎月1兆円前後で推移しています。
ある試算によれば、これらの公的マネーの「外国債券と外国株式の買い余力」は13兆円にのぼります。これら公的マネーの大半は為替ヘッジを付けずに投資されており、13兆円が外国債券や外国証券に流入すると円安ドル高の流れはより一層加速するでしょう。

これからの円安は、今までの円安と少し違う

専門家の中には2016年3月までに、1ドル130 円〜140円のシナリオもあると主張する方もいます。個人投資家の中にも「日本の円は価値がどんどん安くなっているから、今のうちに資産をドルに換えておこう」という考えの方も増えてます。
現在は、貿易黒字が当たり前の時代ではなく、長い円高デフレ時代に産業構造が変わり、安いと思って輸入していた原料・工業製品が円安インフレ時代になり割高になっています。この輸入依存体質はすぐには変えられません。

円安時の資産防衛策

たしかに、円安が続くようであれば、価値が安くなる円をドルなどの外貨に換えて置くのは有効手段でしょう。かといって、銀行などの外貨預金はレートと手数料を見た場合、顧客側にあまりに不利に設定されているので、おすすめしません。
ドルを買うなら、やはりFXが一番有効だと思います。手数料もなく、為替のレートも買い時を見誤らなければ、充分リーズナブルです。
大きく外貨に換える資金はないが、円安対策に取り組みたい方は、FXで一時的に円をドルに置き換えるやり方でも円安対策になりえます。

長い目でFXを利用する場合

初心者の方にとっては、短期のトレードは精神的にキツイと思うので、一部の余裕資金をドルに換えておくという考えで、FXを利用するのは現実的な選択肢だと思います。
急激な円高/円安相場が来たとき、一回大きく値動きした後では、心理的にもう対策はできないので、あらかじめ対策をしておくことが肝要でしょう。

プロのトレーダーはFXをどう利用しているのか?

プロフェッショナル

プロトレーダーの中には月額約20万円を支払ってロイターやブルームバーグの端末から注文を出している方もいますが、少数派です。大体の方は海外FX業者と直接契約しているIB(イントロデューシングブローカー)を通して取引されている方がほとんどだと思います。プロのトレーダーの方にとっては、相場が動くときは稼ぎ時なので、トレードパートナーとなるIB(イントロデューシングブローカー)とFX会社を厳選して選んでいるそうです。