スプレッドマン

民主党ヒラリーの増税ターゲットは富裕層

四半期資本主義とキャピタルゲイン課税

2016年は、アメリカ大統領選の年になり、その候補者選びが現在アメリカ国民の目下の関心事です。今回の大統領選における大きな争点は「経済政策」になりそうです。

ホワイトハウス

予備選挙にむけた戦いの真っ最中

二大政党である民主党と共和党では、それぞれ大統領候補者を絞り込んでいる状況ですが、民主党はヒラリー・クリントン候補が一歩抜き出ているのが現状です。

民主党

物議をかもしたヒラリー候補の政策

ヒラリー候補の掲げる経済政策に「四半期資本主義」というものがあります。実は、これはウォール街関係者にとっては、民主党嫌いを加速させるような政策でした。(比較的、市場をコントロール下に置こうという政策の多い民主党は、市場関係者に嫌われる傾向があります)
四半期資本主義を発表した演説の中でヒラリーはこう述べました。
米国企業は、決算に支配されることをやめ、発明や長期投資を行い、明日の繁栄を築けるようにならなければならない

ヒラリー

四半期資本主義を進めるためのキャピタルゲイン課税

四半期=25年のことで、つまり経済とは長期を見通して行動されるべきであり、短期の利益を目指した行為は、経済行為として間違っているというのが主な主張です。そのため、短期の利益を目指した経済行為(株の短期売買など)には課税率をあげることを、その対策の骨子としています。

キャピタルゲイン課税率とは

現行の法律でも、株の短期売買(保有1年未満)に対する課税率は高いですが、ヒラリー氏は、課税率の高い期間を現行の1年よりも、もっと伸ばそうというものです。保有期間によって、税率を段階的に変えることで、株の長期保有を促し、投機目的での株売買を抑制することを狙っています。

グラフ

▲キャピタルゲイン課税率のグラフ。ヒラリー氏の主張は1年未満の取引と同じ税率を2年目以降も続行させようというものです。(みずほ総合研究所 ヒラリーが挑む「四半期資本主義」より引用)

ヒラリー政策に対する市場の声

このヒラリー氏の政策ですが、市場関係者からは疑問の声も出ています。

①キャピタルゲインに対する課税率は、現状株式の売買をする判断材料にはなっていない。
②年金ファンドなど、キャピタルゲイン課税を免除されている資金も多い。
③現行法に比べて、1年以上保有するメリットが大幅に低下するため、かえって1年未満の保有が増えるおそれがある。
伝統的に共和党と市場関係者は、「市場に対して政府のできることは何もない」(減税だけ求める)というスタンスをとっているため、このヒラリーの政策は、市場関係者は難色を示している。

99%の米国民には関係ない。

ヒラリー陣営は、この他にも税率引き上げの政策をとっているが、全体として富裕層への増税が主な政策である。
99%のアメリカ国民には影響がない」と主張しているが、これは今後の大統領選における、重要な論点のひとつとなりそうです。リーマンショックが共和党政権下で起き、この8年間の民主党政権では、その後始末に追われていたというのが印象です。来年はアメリカ国民の新たな選択に注目が集まるでしょう。過激な主張で知られる共和党候補のトランプ氏などは、不動産投資で名を馳せた人なので、対決が実現したら見物ですね。

99%

▲リーマンショック後、混迷するウォール街に対して行われた99%デモの様子。この運動の機運はまだアメリカ国内でくすぶっています。